当記事は、某Discordグループで開催された「じゃれ本(オンラインver)」で生み出された作品群を展示します。
前書き
じゃれ本とは?
3~8名で遊べるリレー小説形式のボードゲーム(?)です。
参加者は名詞4個と形容詞4個を組み合わせて本の題名を作ります。(画面上で誘導があります)
その後、リレー形式で別の参加者に本を回していき、100文字以内で1ページ作成していきます。
作成完了したら、また別の参加者に本を回し、同じように100文字以内で1ページ作成……を繰り返していきます。
ページ作成時、参加者は「本の題名」と「1ページ前の内容」しか確認できません。
そのため、大抵はあべこべな文章になったり、最初と最後が繋がらないような文章になります。
あらかじめルール設定したページ数作成したら、本が完成!最後に読み上げてみましょう!
詳細なルール
下を参照してください。
2024/03/20 第1回じゃれ本オンライン会
※ 参加者感想を忘れてしまったため、筆者の感想のみとなります。
ルール設定
- ページ数:8
- 時間:無制限
- 参加者:3名
「時とともに移りゆく100円ショップ」
Page.1
春。最寄り駅の構内に100円ショップが開店した。元々はよくわからないブランド品を扱う雑貨店だったが、経営がうまくいかず閉店したのだろう。何か機会があれば今度行ってみようと思う。
Page.2
翌日、実際に100円ショップに行ってみた。外観は、スーパーのように見える。手元には1万円ある。大量に買えるはずだ。私は期待に胸を膨らませて、店の自動ドアを潜り抜けた。
Page.3
店の中はこれといった特徴のない100円ショップといった感じだ。食品なんかも買えるかと思ったが、中はホームセンターのような感じだ。ぐるっと店内を見回りながら、必要なものをカゴに入れて行った。
Page.4
「1650円になります」私は会計を済ませ、帰路についた。
……
それから2ヶ月後、この前買った付箋を切らしてしまったため再度100円ショップに向かった。すると、
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外観が様変わりしていた!もはや以前の雰囲気はなく、まるで映画館と錯覚するレベルだった。しかし、入ってみると何も変わっていなかった。店員に「すみません、外観が依然来た時から変わっているんですけど…」
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と聞くと「私には変わっていないように見えますが...」と返した。 どうやら自分と店員の見る外観にはギャップがあるらしい。不思議に思いながらも買い物を終え、その日は帰宅した。
Page.7
1週間後、疑問を払拭しようと同じ100円ショップに向かう。 ところが、店があるはずの場所に向かうと、そこはただの空きスペースに変わっていた。 そして、店員と思われる人間がなぜか一人で中心に立っている。
Page.8
話しかけると、どうやらお金を使いすぎて100円ショップは閉店してしまったらしい。 今日は、最後の確認だったと言う。寂しさを覚えつつ、これが時の流れと納得した私は、何もない空き地を背に向け、歩き出した。
筆者感想
- 割と綺麗な終わり(?)
- よく見るとPage.5とPage.8が繋がっていないので、じゃれ本感はある
- 店員はマジシャンか何か???
「かわいいねこ」
Page.1
これは、会社の出勤日に出会った、ハートフルストーリー。3月某日。その日は約2週間ぶりの出勤日だった。自宅から出て、さあ行くぞ!と意気込んでいると。。。そこには普段見かけないかわいいかわいい猫がいた。
Page.2
道路の端で日向ぼっこをしており、気持ちよさそうな表情で佇んでいた。いつもは時間ギリギリに出発するので駅までダッシュしているが、今日は珍しく時間に余裕をもって家を出ていたため、少し猫を眺めることにした。
Page.3
猫を眺める。
かわいい。
さらに猫を眺める。
かわいい。
そうして時間は過ぎ去っていき、私は元の用事をすっかり忘れてしまった。
Page.4
ふと空を見上げる。太陽は真上の位置まで移動していた。何か用事があった気がするのだが、なにも思い出せない。すると、目の前の猫が突然光を放ち、人間の姿に変身した!
Page.5
人間の姿に変身した猫はこう告げた。
「会社には行かないのですか?」
そうだ、私は通勤中に猫を見ることに夢中になっていたのだ。ただ、今から出社したところで叱られるだけだ。 このまま猫と会話してみよう。
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「いいえ、今日は休みなのです」
私は適当にごまかす。
「その割には服装が休みの人とは思えないのですが」
と猫。どうやら人間の文化を理解しているようだ。
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「こ、これは…」
そう言い澱んでいると、猫はこう言った。
「もしかして…平日と勘違いして外出しました?」
私は、「そ、そう!そうなんですよ!」と言い、猫を眺めていたのも休みの日だからと説明した。
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「そうだったのですね。勝手に変身しちゃってすみません」
「いえいえ、良い休日になりましたよ。それじゃあまたどこかで」
と、かわいい猫(?)に別れを告げた。
さてと、上司に叱られに行きますか。
筆者感想
- 単純なタイトルほど、書くのが難しいことが発覚した
- ハートフルストーリーとは?
- 猫を擬人化したのは私です
「会心ガチャ対策委員会」
※ ブルーアーカイブの総力戦・大決戦知識があると、より楽しめます。知識がない方は、雰囲気で読んでください。
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本日の"会心ガチャ対策委員会"はいつもに増して闇を見ていた。 今回のボスは会心抵抗率がとても高いことに加え、アルのNS・EXをすべて会心で当てる必要があった。 そこで、対策委員長は新たな対策を講じた。
Page.2
そう、正月ハルカの起用である。正月ハルカは現環境では最大の会心抵抗率減少デバフを付与することができる唯一の生徒だった。これによってなんと会心率が25%から40%に上昇する。
Page.3
実際に正月ハルカを編成に入れ、出撃した。サブスキルのコスト回復力アップも合わさって、5秒早く会心ガチャチャレンジ地帯にたどり着いた。会心率40%もあれば、複数回連続で会心を出すのも夢ではない。
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だが、ボスはそう易々と会心を出してはくれず、リトライを強いられた。しかし正月ハルカのコスト回復力もあり、確実に周回ペースを高めていた。3連続で会心が出るケースも見られるようになり、光を見出していた。
Page.5
そうしているうちにチケット3枚分の3時間が経過してしまった。惜しい回は何度もあったが、うまくはいかないものだ。
幸い期間はあと3日間ある。また明日の夜頑張ることにしよう。
Page.6
翌日夜、気持ち新たに会心ガチャに挑もうとした。ランキングもそんなに変わっていなさそうだ。この会心ガチャに勝てば、3桁は確実!そう思ってチケットを消費し、入場した。しかし、ここで重大な事実が発覚する!
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「最後のNSのタイミング、行動パターンによっては3秒早く発動するんじゃないか...?」
会心ガチャに加えて、行動パターンガチャによってさらに高いスコアが取れることに気づいてしまった。
Page.8
私は覚悟を決めた。何としてでもこのガチャを通すと。
そして最終日、遂に予定通りのTLを通すことに成功!私は清々しい気持ちで録画を見返す。
「これアルよりドレスヒナ使う方が早くないか?」
END
筆者&参加者感想
- これは何???
- 前提知識が多すぎるのでは?
- 最終日に気づくのは絶望感高い
- こんなところで会心率を計算することになるとは思わなかった
2024/04/20 第2回じゃれ本オンライン会
※ 2回目なこともあり、内容がぶっ飛んでいきます。
ルール設定
- ページ数:8
- 時間:無制限
- 参加者:4名
「煌びやかなデスマーチ」
※ デスマーチ:締め切り等に追われて切羽詰まっている状況、残業せざるを得ない状況になること。
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こんばんは、死神です! 今日も人間さんを天国に連れて行きましょうね!
今回のターゲットは……システムエンジニアの田中さん!
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田中「どうして田中は呼ばれたのですか!?」
死神「ふふふ。それは今からあなたに、基幹システムの更改プロジェクトに入っていただくからです。花形PJの成功。心よりお祈りしております。是非楽しんでください」
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田中「基幹システム更改...田中は毎日残業が確定かもしれませんね...」
死神「ご安心ください。もし残業に耐えられなくなった時、この目薬を差してください。あなたの体力と気力はすぐに全快すること開発
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も完了することをお約束します。」
翌日夜、田中は8時間残業を強いられていた。急な仕様変更が入ったのだ。しかも期限は翌日だ。限界を迎えた田中は、死神から渡された、体力気力が回復する開発完了目薬を差した!
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すると一瞬で体力が回復!軽々とタスクを終えた田中はもう一度両目に目薬を差して朝からの仕事に備えた。
実は代償として1滴あたり寿命が10年短くなるが、面倒なので死神は黙っておくことにした。
Page.6
そんな調子で死神の手助けを借りながら進めていき、プロジェクトも軌道に乗り始めた。そしてプロジェクトの最終局面、基幹システムの本番切替まで6時間を切ったが、田中は体調に一抹の不安を覚えていた。
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田中「切替まであと6時間。ここさえ乗り越えられれば天国が待っているのですよね」
死神「そうです。まだまだ私を頼ってください」
死神の協力もあり、無事に基幹システムの切替が完了した。
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田中「何とかデスマーチを乗り切った……」
死神「お疲れ様でした。協力した分、対価を頂きます。」
田中の身体が輝き始める。田中は悟った。天国に向かうのだと。後に煌びやかなデスマーチとして、後世に伝えられた。
参加者感想
- 今回の作品群の中では最もまとも(?)
- 死神、何者???
- 田中の一人称、「田中」なのか……
- Page.3の「開発」は誤字だったが、何故か繋がった
- Page.7でPage.1の「天国」が登場するのは、偶然だった
「たくさんの名前」
※ Re:ステージ!プリズムステップに登場するキャラクター名が出てきますが、別に知識がなくても読めると思います……多分。
Page.1
舞菜、珊瑚、紗由、日向、未雨、かりん、・・・、ここに25人分の名前がある。 その中から2つ選らんだ場合、その組み合わせは300通りにも及ぶ。
今宵、名前の組み合わせによる神秘を皆様にお見せしましょう。
Page.2
まずは舞菜と珊瑚を選んでみよう。舞菜珊瑚である。 次に舞菜と日向を選んでみよう。舞菜日向である。 舞菜未雨、舞菜りんか...そうです。二人の名前を繋げることで、無限のカップリングを生成できるのです。
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ここでカップリングも色々な種類がある点について考察してみましょう。例えば、明るく前に引っ張っていくけれど少し暗い部分を持つキャラと、ツンデレだけれど押されたらやぶさかでもないキャラのカップリングです。
Page.4
仮に前者のキャラをA、後者をBとします。よく描かれるのは、Aが積極的にBに関わっていくタイプの場面でしょう。
しかし視点を変えてみると次のような場面も考えられます。
Page.5
BはAに対して積極的に絡まないキャラですが、極稀にBからAを誘うことがあります。その時Aが大喜びするという構図は素晴らしいものです。つまり解釈によって様々な見方があります。
もう一つ例をあげましょう。
Page.6
AとBは互いにいがみ合っていますが、ふとした時に互いへのリスペクトが滲み出てデレ合う構図も素晴らしいものです。
つまりAとBが交流していなくとも、性格に応じてカップリングが成立する可能性があるのです。
Page.7
ここまで様々なカップリング成立の可能性を示してきました。これを読んでいるあなたも、カップリングを見出したい!誰かに知らせたい!と思った方もいるでしょう。
そんな方にお勧めの方法があります。二次創作です。
Page.8
現代ではSNSや専用のWebサイトを利用して情報を発信することができます。小説やイラストなどがメジャーですが、気負わずにちょっとした落書きや短文などでも良いでしょう。あなたの参加をお待ちしています!
参加者感想
- 新手の宗教か何か???
- 「たくさんの名前」から思いついた出だしがこれしかなかった
- 何らかの見えない意思が働いてないか?
- 「同じ空間に居ればカップリング成立」並みのパワーを感じる ※そんなことありません、多分
- 二次創作促進文章(?)
「岬珊瑚の華麗なる一日」
※ Re:ステージ!プリズムステップに登場するキャラクターが出てきます。実質二次創作かもしれません。知っていると、より楽しめると思います。
Page.1
6月某日、プリズムステージに向けて練習を重ねていた岬珊瑚は、悩んでいた。何故かわからないが、練習に身が入らない。このままでは、ライバルたちに負けてしまう。焦りを感じ始めた珊瑚に、ある人物が話しかけた。
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「ヤァ珊瑚チャン。モシカシテ、ナニカオナヤミカナ?」
いや、あんた誰よ。ここは稀星学園本校の校庭だ。人型のロボットが急に現れるような場所ではない。 珊瑚が困惑していると、ロボットはこう告げる。
Page.3
「珊瑚チャンノタメニ、舞菜チャンモヨンデオイタヨ」
どうしてここで舞菜が出てくるのか。理解はできないが、一人でいるよりは心強い。突然呼び出された様子の舞菜も困惑している様子だからここは声をかけよう。
Page.4
「ちょっとあんた、突然呼び出されて困惑していると思うけど、今日は...」「珊瑚ちゃん!」
珊瑚を見るや否や抱き着いて来たが、今日の珊瑚は冷静だったため、すぐに引きはがして状況を伝えることにした。
Page.5
- ここ最近の珊瑚は何故か元気もなく、練習に身が入らない。
- 今日1日は華麗なる一日にしたい。
- 珊瑚だけではどうしようもなく、何故か頭に思い浮かんだ舞菜を呼び出した。
以上を引きはがした舞菜に伝えた。
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「わかったよ珊瑚ちゃん!じゃあ、元気が出るおすすめのカレー屋さんに連れていくね!」
ちょ、あんた、華麗ってそういうことじゃ……と反論する間もなく珊瑚は舞菜に引っ張られていった。
Page.7
「もぐもぐ。美味しいね、珊瑚ちゃん!」
半ば強制的にカレー屋に連れていかれる形となったが、カレーは美味しい。本当はもっと優雅な一日を過ごす予定だったが、こんな一日も悪くない。と、舞菜と2人でいたところ
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「ちょっと待ったぁ!」と水を差す紗由が登場する。
いや、今思えば助け舟だった。紗由には散々文句を言われたが、舞菜の提案で3人で碧音お姉さまの家にお泊りすることになったのだ。
この話の続きは、また今度。
参加者感想
- Page.2のロボットは何?????
- Page.3から何らかの意思を感じる
- Page.2のロボットは、かえを想定していた
- Page.1の比較的まともな始まりからどうしてこうなった??
- Page.3とPage.5が地味に繋がっていないのが、かろうじて存在するじゃれ本要素
「危険極まりないホームビデオ」
※ Re:ステージ!プリズムステップに登場するキャラクターが出てきます。実質二次創作かもしれません。知っていると、より楽しめると思います。
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彼女は式宮碧音。女子中学生のトップアイドルである。 しかし、彼女の所属する稀星学園本校アイドル部では、とある噂が立っている。 それは、彼女の家に厳重に保管されたホームビデオがあるという噂である。
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ホームビデオとは、家庭の様子や家族の様子を撮影したビデオのこと。全国屈指のアイドルである式宮碧音のプライベートな側面について、本校アイドル部内ではあまり知られていなかった。噂ではこんな話も流れていた。
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「式宮碧音は自身の妹を紐でグルグル巻きにして楽しんでいる」
多くの人はそんなことあるわけない、と噂を否定する。 実際私もそんな話は信じていない……はずだった。あるホームビデオが見つかるまでは。
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「おねえちゃん、きょうはなにをしてあそぶの?」
「今日はハロウィンだからまーちゃんをミイラさんにしようと思うの」
こうしたホームビデオがネットに流出してしまったのだ。この映像を見た世論は様々だった。
Page.5
映像の流出に関して、即座に本校アイドル部で緊急会議が開かれた。
「これは碧音にアイドル人生に傷が入りかねない」
「私はまーちゃんの可愛さが広まって嬉しいけどね」
「ダメです!すぐに削除してもらいましょう!」
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緊急会議後、会議に参加したメンバーは迅速に行動を開始した。まず、このホームビデオは式宮家と関係なく、第三者が撮影されたビデオなことを流布。さらに、真実を知ってしまった人物へ箝口令を引き、万全を期した。
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そうして式宮家ホームビデオ騒動は収束した。
……
そして時は流れ、人々の記憶から騒動の件も忘れ去られ始めてきた夏の頃。
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「何だか見覚えのある人が見えた気がするけれど、何かしら」
例のビデオが偶然紗由の目に留まってしまった。
・・・もう一波乱ありそうだ。
参加者感想
- 「式宮碧音は自身の妹を紐でグルグル巻きにして楽しんでいる」とは???
- これのことです
- こんなのが公式から出ているのか……
- ホームビデオが分からなかったので調べた
- 内容はともかく、割と綺麗にまとまっている感はある
終わりに
3人いれば1時間~2時間くらいで遊べるじゃれ本、是非遊んでみてくださいね!たのしいよ!